2021年の日本の人口は約1億2550万人でそのうち労働人口は約6,907万人、フリーランスとして働いている人は約1,670万人を超えており(「フリーランス実態調査 2021」より)、労働人口の24%がフリーランスという計算になります。
フリーランスとは、企業や団体などに所属せず、自ら契約を取り交わす働き方のことを言いますが、フリーランス協会では大きく分けて下記2種類の形態があると定義しています。
<独立型フリーランス>
企業などに属さず、雇用関係を持たない独立型フリーランスで、一人社長などの法人形態を取っている経営者、個人事業主が対象。案件ごとに業務委託契約や準委任契約で仕事を請け負うケースがほぼ100%とされています。
<副業型フリーランス(雇用関係有り)>
企業などに属し、雇用関係を持ちながら余暇を使って労働力を提供し、個人の名前で収益を得る。昨今フリーランス人口が増えている中で、副業を認める企業も増えていることもあり、本業で就業しながら副業で稼ぐパラレルワーカーも増加しています。
フリーランスと聞くと、IT技術者やデザイナー、カメラマンなど専門性を持った方という印象をお持ちの方も多いと思います。
確かにIT技術者においては、現時点でも国内ではリソースが不足しており、2030年には30万人以上不足すると予測されていることから、逼迫状態にあることは間違いありません。
しかしながら、ことプログラマーやシステムエンジニアにおいては、開発言語など世界共通であることから、オフショアなどで海外からリソースを調達することも可能ですが、営業職やマーケティング職、コンサルティング職などにあたっては、プロダクトやサービス、担当者とのやり取りや要望を伝えることなどでほぼ100%日本語を使用することになります。
つまり、単に日本語が堪能というだけでなく、日本人特有の「行間を読む」「阿吽の呼吸」というものも理解しておかなければ、日本人相手のビジネスは厳しいと言えます。
また日本は対面文化という事もあり、よほど認知度の高い製品やサービスを除いて、メールや電話だけで高額な商品やサービスが売りにくいという事実はあります。
しかしながら、昨今の情勢にも起因しますが、オンラインミーティングなどの発達や普及により、この対面文化も崩壊しつつありますので以前と比べると、やりやすくなったと言えます。
日本ではマーケティング担当者が不在の企業も多く存在します。
一口にマーケティングと言っても、その種類は多岐にわたり、それぞれ業務内容が異なるため、余ほどの大手企業でもない限り社内に1名、あるいは不在の状態で、必要に応じてフリーランスなどの外部リソースを活用される企業も少なくはありません。
マーケティングの職種については、下記が多いようです。
など、少し細分化するだけでも、これだけの職種があります。
殆どの企業は、これらの業務すべてが定常的に発生する訳では無いため、専任のマーケティング担当者は置いておらず、必要に応じて外注するというケースが多いですが、人材派遣では理想的なKPI(Key Performance Indicator:目標を達成する上で、その達成度合いを計測・監視するための定量的な指標のこと)や結果が望めず、マーケティング代行企業への外注はコストパフォーマンスが想定外という事で、「仕事クオリティが高くてコストが低い」というフリーランスのプロマーケティング従事者を活用されるケースが増えてきました。
結論として、一線で活躍されたフリーランサーは、これまでの実績やスキルを武器にすることで、活躍の場をフリーランスに移す事もでき、また採用する側も、社内で「就業時間内で適当にやれば給料がもらえる」と思っているやる気の無い社員に任せるよりは、期間限定、成果報酬型で外部から「プロの仕事師」と契約する風潮へと変わってきています。